ドコモ夏モデルではGALAXY S4とXperia Aが「ドコモのツートップ」と加藤社長は明言。値引きも増やし、ネットワーク、サービスに価格競争力も付けてiPhoneに対抗する。
「ドコモの顔となる“ツートップ”、ぜひご検討を」──NTTドコモが5月15日発表した2013年夏モデル11機種のうち、「GALAXY S4」と「Xperia A」(エース)の2機種を「この夏自信を持ってお勧めできるツートップ」(加藤薫社長)としてプッシュ。2機種については最大2万円引きで販売するなど販促費も積み、人気機種に価格競争力を組み合わせてKDDI、ソフトバンクモバイルのiPhoneに対抗する。
世界的な人気端末となる「GALAXY S4 SC-04E」(Samsung Electronics製)はフルHD(1080×1920ピクセル)の5インチ有機ELディスプレイや1320万画素カメラなどを搭載し、厚さは8ミリと全機種「S III」から薄型化。国内向けモデルにはグローバルモデルにない本体カラー「Blue Arctic」をそろえる。ブラックモデルとホワイトは5月23日発売、ブルーモデルは6月中旬発売。
Xperiaの新機種「Xperia A SO-04E」は、ソニーモバイルコミュニケーションズが13日に発表した「Xperia ZR」の国内向けモデル。4.6インチ(720×1280ピクセル)ディスプレイとクアッドコアAPQ8064/1.5GHzプロセッサ、2GバイトRAM、Android 4.1、32Gバイトストレージ、1310万画素裏面照射CMOSセンサーカメラなどを搭載するほか、防水・防じん性能、ワンセグ・NOTTV、赤外線通信など「日本のお客が求める機能を全て入れた」(加藤社長)。4色展開で5月17日に発売する。
2機種については2年契約を前提に「特別価格」とし、さらにiモード端末からの乗り換えユーザー向け「はじめてスマホ割」で1万円引き、ドコモを10年以上契約したユーザー向け「ありがとう10年スマホ割」で1万円引きの合計で最大2万円値引き。Xperia Aは実質負担が最安で「5000円程度」になるという。
加藤社長は4月の決算説明会で、今年度は機種を絞り込み主力機種にリソースを集中していく考えを示していた。12年度はKDDI、ソフトバンクモバイルがiPhone 5で攻勢をかけ、番号ポータビリティ(MNP)転出超過が約140万件に上るなど苦しい戦いに。ただ、「Xperia Z」などを投入した1~3月に純増数で前年同期を上回るなど明るい兆しもあり、「1~3月の手応えをもとにいろいろとやっていく。トリガーとなるのは夏モデルだろう」としていた。
「ツートップ」を明言することで実質的に端末メーカーを選別した形だが、「おすすめはどれなのかとドコモショップなどでお客に聞かれることが多く、これまでは数だけ並べていた感もあった。まずはこの2機種が特徴あるという打ち出し方をしたい」と説明。他機種についてもiPhone対抗に向けて「特別価格というものも含めて競争力を強化する」とした。
また全機種で3帯域によるXi通信に対応し、13年度内に最大150Mbpsサービスを開始する計画を明らかにするなど、ネットワーク品質もアピール。「auスマートパス」対抗となる定額制アプリ使い放題サービスの「ドコモサービスパック」やdマーケットの拡充、LINEとの幅広い協業の発表などサービス面も強化し、加藤社長は「使い方が広がるサービスと力強いXiネットワークで、この夏はドコモのスマホをお楽しみください」と売り込んだ。
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